第9章:アッシャー

玄関の扉が、彼女の背後でカチリと閉まる。その音は、薄く冷たい刃物みたいに家の中をすぱりと切り裂き、終わりを告げた。

私は階段のいちばん上で待っていた。胸の前で腕を組み、手すりの冷たさが拳の節に沁みる。歩道を遠ざかっていく彼女の足音に耳を澄ませる――柔らかく、すぐに夜気へ溶けて消えてしまう、その速さを。

外は寒い。

彼女の身なりには、寒すぎる。

まだ目に焼きついている。肩をすぼめるようにして薄いカーディガンを引き寄せ、擦り切れたジーンズをはき、寒さの染みこむ地面に何の役にも立たない、ばかげた小さなフラットシューズを履いていた。

しばらく、私はそこで動かずにいた。家の濃いぬくもりを吸い込む...

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