第95章:アッシャー

午前二時になろうとしているのに、まだ眠れていない。

昔のベッドに横たわり、昔の部屋にいる。前にここを見たときから何ひとつ変わっていない壁に囲まれている――当たり前だ。天井には、こんなふうに眠れない夜に見つめ続けていたひび割れがある。あの頃の俺は、最悪の痛みといえば、海軍をあっさり追い出されたことだと思っていた。仲間の半分以上が爆発で吹き飛び、俺も危うくそうなるところだったからだ。部隊にいられなくなったことが、これ以上ない苦しみだと本気で思っていた。

いまは違う。

いちばん痛いのは、これだ。手に入らない相手を欲してしまうこと。彼女が必要でたまらないこと。いちおう人生の中にまだ存在しているの...

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