第191章 内通者をあぶり出す

梅崎宇作は顔色ひとつ変えずに言った。

「俺はただ、狩野姫空が不憫でならなかっただけだ」

「狩野教授、篠原部長。証拠があります。誰が内通者か、はっきり示せます」

声が飛び、室内の視線が一斉にそちらへ向いた。

見覚えのある顔だった。第1課のメンバー、河本海生。

第1課では存在感が薄く、仕事も特別できるほうではない。

だが、実直で、誠実――そう思われていた男だ。

「河本……証拠があるって?」狩野乃亜が目を細める。

河本海生は前へ出た。

「はい。狩野姫空さんは内通者じゃありません。内通者は――梅崎課長です」

その瞬間、オフィスがざわりと波立った。

「河本、勘違いじゃないのか。梅...

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