第48章 離婚届の手続き

林田守萌が出ていくと、正木稲巳はようやく、冷えた声でゆっくり口を開いた。

「五味孝。あの子のこと、調べてこい」

「正木社長……奥様を疑っていらっしゃるんですか?」

五味孝は戸惑いながらも、続けて自分の考えを述べる。

「正木社長、奥様はそんな方じゃないと思います。七年間の尽くし方を見れば、社長への本気は明らかですし、坊ちゃんのことだって――本当に、手のかかることまで全部ご自分で……。それなのに坊ちゃんは何かあるたび林田さんのほうへ行く。奥様だって人間です。積もれば、腹も立ちます」

狩野姫空の肩を持ちたい気持ちもあった。哀れみも、同情も。

「いつからお前は、そんなに口が回るようになっ...

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