第10話

ダクストン視点

いつもの夜と同じように、俺は汗だくで目を覚ます。また悪夢を見たのだが、いつものことながら、何についての夢だったか思い出せない。

もう二十七年近くもこの悪夢を見続けているというのに、目覚めた後にはたった一つの詳細すら思い出せないのだ。この悪夢を理解する手がかりになるようなものは、音も、匂いも、映像も、何一つとしてない。

最初はセージに関係があるのかもしれないと思ったが、時が経っても詳細が掴めないままで、あの悪夢の中に答えを見つける望みは捨ててしまった。

悪夢と言うのは、目覚めた後に囚われたような感覚に陥り、それが決して良い気分ではないからだ。汗をかいていることも悪夢であることの...

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