第128話

クインラン視点

ダイニングルームで誰かが彼女について口にした言葉は、一言一句ラリッサの耳に届いている。だが、彼女がそれに影響されている様子はない。

俺たちは王の私室に集まり、ダラスが玉座の間で何が起きているかを聞くために、わずかに扉を開けていた。

「我々の王国に、耳の聞こえない女王などありえん。王は彼女を拒絶し、タミーを伴侶として迎えるべきだった。彼女ならば素晴らしい女王になるだろうに」アーヴァインの声が聞こえる。

「なぜ耳の聞こえない女王ではいけないのですか?」ヴェネティア長老が尋ねる。「私には何も問題があるようには思えませんが、説明してください」

多くの獣人たちが一度に話し始め、そのほと...

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