第51話

ダラス視点

「起きろ、小さな子」

耳元でダリウスが言うのが聞こえる。ゆっくりと身を起こし、伸びをしながら二人のメイトの間に座り直す。

道を曲がると目の前にパックハウスが現れ、玄関ポーチではジェスパーとベリンダが私たちを待っていた。ジェスパーは満面の笑みを浮かべていて、その理由を察するのは天才でなくても簡単だった。

妊娠を祝福した後、私たちは直接アルファフロアへ向かってミーティングをすること、そして二人にも出席してほしいことを伝える。

「オメガたちに夕食をアルファフロアに運ぶよう伝えておくわ。その方が話しやすいし、自分たちで料理する心配もないもの」

パールはそう言うと、キッチンへ一直線に向かっ...

ログインして続きを読む