番外編 陽一
眠子が大学を卒業した後、誰もが予想したように俺のIT企業には入社しなかった。
彼女は小さなデザイン事務所を選び、自身のキャリアをスタートさせた。
それは彼女がずっと好きだった仕事だった。
「眠子、また髪が伸びたな」
俺はLINEのビデオ通話で妹を見つめる。彼女の黒髪はすでに肩まで垂れ、目の下にははっきりとした隈ができていた。
「うん、最近プロジェクトがちょっと立て込んでて、髪を切りに行く時間がなくて」
眠子はカメラに向かって微笑みかけた。その目には疲労が滲んでいたが、声色にはどこか満足感が漂っていた。
「デザイン案、クライアントに突き返されてやり直しになっちゃった。で...
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チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
9. 第9章
10. 第10章
11. 番外編 陽一
12. 番外編 陽一
13. 番外編 陽一
14. 番外編 柚子
15. 番外編 柚子
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