第7章
「——暴行された、だと?」
彼の声はほとんど聞こえなかった。
陽一は妹の変化を思い出していた。
高校を卒業した年、眠子は突然口数が減り、他人行儀になった。
全ての男性に対して明らかな不快感と回避の態度を示し、ごく普通の社交的なやり取りでさえ彼女を緊張させた。
東京の真夏の盛り、少女たちが皆、半袖や薄手のスカートを身につけている中で、眠子だけは常に長袖のシャツとロングスカートを着用していた。どれほど暑くても手首を見せることはなく、彼女のオフィスの机の引き出しには、一本の実用的なカッターナイフが隠されていた。
……
彼にとって唯一の、同じ血を分けた妹。
十八歳という...
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チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
9. 第9章
10. 第10章
11. 番外編 陽一
12. 番外編 陽一
13. 番外編 陽一
14. 番外編 柚子
15. 番外編 柚子
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