第135章 暗号

上山世奈は無意識に足を踏み出そうとしたが、江川陸斗に腕をぐいと掴まれ、強引に引き戻された。

混乱が広がる中、少女の浮かべる笑みは、ますます不気味さを増していく。

誰もが我先にと出口へ殺到したが、扉はすでに完全に封鎖されていた。

ここから逃げ出せる者は、一人もいない。

「皆さん、慌てないで」

天井の音響スピーカーから声が響く。あの少女の声だ。その口調は相変わらず雲のように掴みどころがなく、どこか嘲りさえ滲ませている。

「絶体絶命の時こそ、冷静にならなきゃ。それより、もう一度ゲームのルールを聞いてくれない?」

「お、お前は誰だ! なんで言うことを聞かなきゃならないんだ!」

群衆の...

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