第138章 彼女は渦中に巻き込まれ、停職処分を受けた

上山世奈は負傷した足で踏ん張る間もなく、彼に腕を掴まれ、強引に押し戻された。

たたらを踏み、背後へ倒れそうになる……。

間一髪のところで、江川陸斗が一歩踏み出し、彼女の腕を支え上げた。

窓の外から降り注ぐ星の光が病室に差し込み、蒼白でありながらも花のように艶やかな彼女の顔を照らし出す。

上山世奈は、江川陸斗の深い瞳の奥に、自分の姿が映っているのをはっきりと認めた。

彼女は息を呑み、一語一句、真摯に答える。

「現場に戻って、見落とした証拠がないか確認させてください。被害者のためにも、そして私の潔白のためにも!」

二人は対峙したまま動かない。

上山世奈は胸の奥がチクリと痛むのを感...

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