第141章 犯罪じゃない、これはオカルトだ!

江川陸斗は、上山世奈が森下彰太の安否を案じていることを痛いほど理解していた。

彼女が自責の念に駆られ、心をすり減らしているのも無理はない。

だが、今はその負の感情に囚われている場合ではなかった。

平和マンションは市の南部に位置している。現在は設備の老朽化が目立つものの、十数年前であれば、ここの一室は相当な資産価値があったはずだ。

森下水季があの時、口にした言葉も納得がいく……。

『ここの家は、母さんを襲ったあの御曹司が寄越したものだ』と。

つまり、すべての辻妻が合う。金を受け取った以上、強くは出られない。それが、古川江里子が当時警察に通報せず、泣き寝入りをして女手一つで娘を育て上...

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