第142章 ここに来たことがあるのか?

「このホテル、知ってるの?」

上山世奈は江川陸斗を見つめ、疑念を込めて尋ねた。

江川陸斗は一瞬口ごもったが、すぐに言った。

「行くぞ。時間がない、人命救助が先決だ」

彼は否定もせず、かといってそれ以上の説明もしなかった。

だが上山世奈の直感が告げていた。このホテルに、江川陸斗は間違いなく詳しいはずだと。

二人は平和マンションを後にし、第一犯行現場となったホテルへと足を向けた。

上山世奈は携帯電話を取り出し、海市警察署の酒井健成に指示を仰ぐ。

「私と江川さんはホテルへ向かっています。平和マンションの方は任せました」

一分後……。

酒井健成からショートメッセージが届いた。

...

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