第144章 天国はどうして悪魔を容れようか

目の前の光景に、上山世奈は頭皮が痺れるような感覚を覚えた。背筋を冷たい汗が伝い落ちる。

森下のその虚ろな眼差しは、あの晩自殺した男とあまりにも酷似していた……。

「森下さん!」

世奈は震える声で森下彰太の名を呼んだ。

だが彼は答えなかった。まるで人形のように微動だにせず、ただ死んだような瞳で虚空を凝視している。

その傍らで、古川江里子が狂ったように泣き叫んでいた。

「私が間違っているはずがない! 犯されたのは私なのよ! どうして私が責められなきゃいけないの! 不公平よ、こんなのあんまりだわ!」

「上山世奈、江川陸斗……今夜はあなたたち二人に手を出すつもりなんてなかったのよ。でも...

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