第150章 あの女の子のお母さんだ

恋愛経験ゼロの上山世奈には、今のこの状況がどういう味で、どういう感覚なのか、言葉でうまく説明できなかった。

江川陸斗は、彼女の目の前に置かれたキャッサバの甘いスープを一瞥すると、ふたを開け、さらに彼女のほうへと押しやった。

「これ、あんたの娘さんの賞状か?」

彼は傍らにいた女性に、何気なく尋ねた。

娘の話題が出た瞬間、女性の顔がぱっと華やいだ。

「ええ、そうなんです! これ全部、自慢の娘の賞状と表彰状ですよ。あの子は今、海市大学に通っているんですが、小さい頃から品行方正で成績優秀、親に心配をかけたことなんて一度もなくて! 休みの日には自分からバイトを入れて、そのお金を……」

そこ...

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