第167章 店長は誤解した

「お前の家族が裏でどれだけ汚い真似をしてきたか……まさか本気で、一生隠し通せるなんて思ってるわけじゃないだろうな?」

江川陸斗は鼻を鳴らすと、冷ややかな視線を橋本猛へと向けた。

「あと十時間だ。記憶喪失か、それとも頭がイカレちまったか知らねえが、時間が来れば送検するだけだ」

上山世奈は分かっていた。江川陸斗の言葉だけでは、橋本猛を落とすにはまだ火力が足りないことを。

「弟の指紋はすでに採取済みよ。これだけの動かぬ証拠があるの。彼を庇って全部一人で被るつもり? そうなれば、あなたの命がいくつあっても足りないわよ」

彼女の瞳に、蔑みの色が走る。

昨今、死刑判決が下ることは稀であり、多...

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