第166章 どうして子供とこんなに縁があるのか

上山世奈はコンビニの防犯カメラの映像を自身のスマホに転送した。

長居は無用だ。あまり長く留まれば、犯罪容疑者として疑いの目を向けられかねない。

彼女は足早に店を出ると、ホームレスの子供の元へ歩み寄った。

昨夜は暗がりで顔がよく見えなかった。……果たして彼女なのだろうか。

幸い、世奈は以前、暇つぶしにネットで見かけた声優養成講座を少しばかり齧っていた。

「短期間でマスター」という謳い文句の通り、一週間の付け焼き刃にしては、悪くない成果だ。

「坊や、お父さんの治療費を集めているの?」

世奈は声をワントーン上げ、柔らかな物腰でしゃがみ込んだ。財布を取り出そうとして――昨夜、スリに遭っ...

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