第167章 雰囲気がおかしい

吉岡大翔からのボイスメッセージが届いたのは、それから間もなくのことだった。

「お前と江川陸斗、二人とも仕事の鬼かよ。命削ってまで働くことないだろうに。江川のやつ、一度帰宅したってのに、何を思ったか突然職場に戻ってきやがった。今、パソコンデスクにかじりついて、失踪児童の資料を片っ端から精査してるぞ」

えっ?

上山世奈は衝撃を受け、その場で硬直した。

つまり、江川陸斗は私に「家に帰って休め」と言っておきながら、自分はこっそり職場に戻って残業しているということ?

通話を切った後、上山世奈はしばらくスマートフォンを握りしめたまま迷っていたが、やがてゆっくりと画面に文字を打ち込んだ。

『仕...

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