第174章 やはり問題がある

上山世奈と江川陸斗が児童養護施設に到着したのは、ちょうど約束の時間だった。

車を降りる間もなく、遠くから院長の声が響き渡る。

「さあみんな、お巡りさんのおじさんとおばさんを歓迎しましょう。今日はみんなに、交通安全のお話をしてくれるわよ!」

院長は率先して拍手を送り、世奈の目の前まで歩み寄ると、感激した様子でその手を固く握りしめた。

世奈は先ほどの院長との会話を忘れず、携帯のリストに目を落とした。

「今回は署内での緊急カンパという形でしたので、私と同僚たちからの心ばかりの額にしかなりませんが……」

院長は涙を流し、世奈の手をさらに強く握りしめる。

「本当にありがとうございます。実...

ログインして続きを読む