第177章 探りを入れる

普段の警察署内で、葉山颯大たちがからかってくる程度ならまだ我慢もできた。気心知れた仲だからだ。

だが、今日初めて顔を合わせたばかりの中野歩太に、そんな無神経な質問をされる筋合いはない。

「私たちはただの同僚です。中野さん、この後病院まで同行されるんですか?」

上山世奈はあからさまに話題を変えた。

中野歩太は空気を読む気配もなく、ずいと身を乗り出してくる。

「それにしても一体どういう風の吹き回しなんだ? あの『心』児童養護施設なんて長年放置されてたのに、急に健康診断だなんて。何か伝染病でも出たのか?」

「いいえ。施設側で長らく検診が行われていないと署内で話が出まして。上層部に掛け合...

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