第182章 私も無実なのだ

上山世奈はくるりと背を向け、江川陸斗へと視線を送った。

この場において、誰が最も優れたハッキング技術を持っているかなど論ずるまでもない。間違いなく、江川陸斗その人だ。

「院長のパソコン、ロックがかかってるわ。パスワードが必要ね。二人は見張りを頼む、私がやってみるから……」

江川陸斗は、以前葉山颯大たちと共に開発した『マスターキー』のコードを脳裏に浮かべる。

一般的なマシンであれば、破ることなど造作もないはずだ。

だが――。

予想外だった。院長のパソコンに施された防壁技術は、驚くほど高度なものだったのだ。

手持ちのパスワードも、叩き込んだコマンドも、すべて弾かれる。

江川陸斗は...

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