第188章 外見は地味だが、中は別天地だ

つまり、岩瀬里菜の正体を暴けなければ、彼女は高々犯人隠避の罪に問われるだけで終わってしまうということだ。

だが……今、取調室に座っているあの女こそが、首謀者なのだ!

岩瀬里菜をこのままみすみす逃がすわけにはいかない。上山世奈が唇を噛み締めていると、不意に中野歩太が早足で近づいてくるのが見えた。

手には書類袋がぶら下がっている。その飄々とした佇まいからは、かつて特殊部隊に所属していた過去など微塵も感じられない。

彼は窓枠に背を預け、江川陸斗と上山世奈に書類袋を差し出した。

「礼を言えよ」

中野の言葉に、世奈は眉をひそめた。なんの脈絡もなく、なぜ礼を強要されなければならないのか。

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