第191章 事態はますます厄介に

奏という名の少年は首を横に振り、微かに笑みを浮かべて声を潜めた。

「僕、普段は学校に行く必要がないんだ。神父様が僕たち子供のために家庭教師をつけてくれてるからね。先生たちが教科書には載っていないような知識をたくさん教えてくれるんだよ。だから……学校なんて行っても行かなくても、どっちでもいいんだ」

奏は平然とそう答えた。学校に行かないことを何とも思っていないようだ。

長年培ってきた上山世奈の常識からすれば、いくら家庭が裕福だとしても、子供が学校に通わないなどという理屈は通らない。

人は社会的な生き物だ。幼い頃から集団生活に触れなければ、大人になってからどうするというのか。

彼女は奏か...

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