第210章 良い知らせを逃した

江川陸斗は後部座席を顎でしゃくった。そこには、見るからに高級そうな包装紙に包まれた紙袋がいくつか鎮座している。

上山世奈はそれを横目で一瞥すると、振り返りもせずに歩き出した。彼女は背中でひらひらと手を振る。

「江川さんが食べなさいよ。さっきの顔を見る限り、あなただって甘いものが嫌いなわけじゃないでしょ。私の言うことを聞きなさい、糖分はドーパミンの分泌を促すんだから!」

「俺は男だぞ、スイーツなんて……」

江川陸斗の反論を待つことなく、上山世奈はさっさとマンションのエントランスへと姿を消した。

自動ドアを抜けると、管理人の部屋からお爺さんが飛び出してきた。帰宅した彼女を見つけ、興奮し...

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