第217章 彼の居場所を知っている!

最初、古川佑奈はその言葉を真に受けず、上山世奈の意図を測りかねていた。

だが、階下に黒山の人だかりができ、警察署の正門が完全に封鎖されるに至って、ようやく事態を飲み込んだ。

「通報しに来たんだ! 詐欺だ、百万以上も騙し取られたんだぞ!」

「俺……俺だってそうだ。家族全員の生活がかかってるっていうのに、あのふざけた悪徳教団が無理やり『贈与契約書』にサインさせやがったんだ。全財産を寄付しろってな!」

「頼む、助けてくれよ……」

人々は泣き叫び、その表情は絶望に染まっている。

上山世奈は上の階に立ち、眼下の群衆を見下ろした。

胸がナイフで抉られるように痛む。だが、彼女には成す術がなか...

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