第10章

「川島亮一の志望校を書き換えろ。さもなくば貴様は死ぬ」

システムの冷たく無機質な声が脳内に響き、私は危うく手にしていた書類を手から滑り落としそうになった。

七年の歳月が流れ、川島亮一も高校三年生となり、大学入試を目前に控えていた。そしてシステムは、ついに私に最後の試練を突きつけてきたのだ。

「これがお前の『悪辣な継母』としての最終任務だ。いかなる手段を使っても、必ず完遂しろ」

システムは、そう念を押すように付け加えた。

「奴の志望校を、本人の希望とはかけ離れた、およそあり得ない進路に変更しろ」

無人の廊下に立ち尽くし、私はたった今郵便受けから取り出したばかりの、病院の検...

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