第4章

川島正臣が家にいる日は、いつもと家の空気が違う。

その日の夕食、私たち家族三人は食卓を囲み、川島正臣が時折亮一の近況を尋ねていた。

「亮一、最近はどうだ?」

川島正臣はステーキを切りながら、何気なく訊ねた。

私は亮一を鋭く睨みつけた。何か余計なことを言わないかと気が気でなかった。

ところが、この小僧は意外にも空気が読めた。

「ママは僕にすごく良くしてくれるんだ!」

亮一は目をキラキラさせながら言った。

「たくさん服を買ってくれたし、家庭教師もいっぱいつけてくれた。それに、一緒に寝てくれるんだ」

私は飲んでいた水でむせそうになった。

この子、私が勉強を押しつ...

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