第4章

見知らぬ部屋で目を覚ますと、昨夜の疲労と体の軋むような痛みが残っていた。

半開きのカーテンから陽光が差し込む。無意識に隣を探ろうと手を伸ばしたが、空を切っただけだった。黒川尚也はベッドにいない。

昨夜の出来事が潮のように脳内へ押し寄せ、私は思わず目を閉じ、思考を整理しようと試みた。

誘拐された後、私は自ら彼についていくことを選んでしまった。このまま誰かが助けに来るのを待つべきなのか、それとも、一生彼の人として、添い遂げるべきなのか?

そっと身を起こし、周囲を見回す。そこはシンプルながらも豪華な寝室で、手足は拘束されておらず、ドアにも鍵はかかっていなかった。

理屈の上では...

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