#Chapter 102 行くわよ

タイラー視点

ムーングロー・パック・アルファハウス - モーニングルーム

「帰るぞ」

アルファ監査官やハウス・キャンベルの代理アルファからの返事を待つ忍耐力は私にはない。代わりに、レイチェルの手を取り、モーニングルームからアルファハウスの出口へと彼女を導き始める。私がレイチェルを引っ張って扉を通り抜けると、まだ慌てて逃げ出そうとしている狼たちがいるのを見ても驚かない。

狼の群れはある意味どこも同じだ。おせっかいな鼻はいつも、そうすべきかどうかに関わらず、秘密を嗅ぎまわるものなのだ。

キャンベルアルファは私の後ろでぶつぶつ言っている。彼の態度の崩れには正直少し驚いている。リンダとネイサン...

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