#Chapter 96 めちゃくちゃになった

ネイサン視点

ムーングロー・パック - モデスティ・キャビン

混乱した状態で目を覚ました。鼻をつく匂いがして思わずくしゃみが出た。その刺激的な臭いが何なのか考えていると、それが血の匂いだと気づいた。レイチェルの血だ。レイチェルが怪我をしている!

ベッドで急に体を起こすと、キャビン全体がぐるぐると回っているように感じて呻いた。こんなにめまいがしたのは生まれて初めてだった。どんな動きも、何か粘り気のある液体の中を無理やり動かしているような感覚だった。自分の体を自分の意思で動かそうと必死になる中、呼吸さえ困難だった。

「レイチェル?」と呼びかけると、声は荒々しく、喉から引きずり出されるような粗...

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