第4章

 父親の表情は困惑から軽蔑へと変わり、瞬く間に嘲笑へと歪んだ。

「廃倉庫で女の死体が見つかっただと?」父親は鼻で笑った。「何かの間違いだ。どうせ娘のエレナが仕組んだ自作自演の茶番に決まっている!罰から逃れるために、あいつはそんな卑劣な手を平気で使うんだ。妹を傷つけておきながら、我々と顔を合わせるのが怖くなったからって——」

 その言葉は、電話の向こうから聞こえる毅然とした声に遮られた。

「ファンス様、再度申し上げますが、これは重大な刑事事件です。ご遺体の身元確認のため、ご家族に直ちに来ていただく必要があります。これ以上協力を拒まれるようであれば、我々も——」

「分かった分かった、行け...

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