第123章 立花郁葉、聞こえるかい

二人がにらみ合ったまま硬直していると、スマホがけたたましく鳴り響いた。

布川昴が出る。「……何だ」

「さっき、港北埠頭に停まってたトラックが全部、外に出されました!」

「……は?」

布川昴は伏見行哉と視線を交わした。

立花郁葉を「大人しくさせろ」と指示できる程度の相手が、今度は冷凍車を丸ごと動かす。そんな真似、ちっぽけな制作チームごときにできるはずがない。

背後にいる。誰かが、見えない手で、ゆっくりと何かを押し進めている。

狙いは明白だ。伏見行哉――その一点。

もちろん、伏見行哉はここで引くこともできる。車を止めて、立花郁葉の凶報を待てばいい。

追えば、待っているのは未知の...

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