第177章 彼女は気にしない

佐伯ゆめの置かれた状況は、どう見ても最悪だった。国内の空気が一変し、もはや評判をひっくり返すのは不可能だと悟った彼女は、視線を海外へ向ける。

大手の広告主や出資元は、次々と違約金の支払いを求めてきた。

ここ数年、金に困ったことはない。だが請求額は洒落にならない。すべて払えば、手元には何も残らない。

スティーブンはすでにレベッカを連れて帰国する準備を進め、離婚の手続きに入るという。

街では彼女のポスターに赤い塗料がぶちまけられ、所属事務所のビルの前には抗議の群れが押し寄せた。画面の上には「佐伯ゆめを追放しろ」というトレンドがずらりと並ぶ。

ついには公的機関までが「倫理の崩壊」と名指し...

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