第187章 彼女はもう現れなかった

千田睦はそう言うなり、日向司をあっさり追い越して立花郁葉のほうへ歩いていった。

そしていきなり抱きつく。

「作品、想像してたよりずっとすごかった!」

立花郁葉は今日は珍しく、心からの笑みを浮かべた。

「遅れて来るって言ってなかった?」

「あなたに渡す卒業祝い、取りに行ってたの」

千田睦はそう言ってバッグから、宝石のブレスレットを取り出す。石は一粒ずつ色が違う。

「虹、あなたにあげる」

立花郁葉は目を丸くした。

「それ、今回の目玉商品じゃないの?!」

「いちばん大切にしてるデザインを、いちばん大切な人に渡す。それが私がジュエリーを作る理由だもん!」

その言葉を聞いた瞬間、...

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