第104章 盗撮される

「江口……社長?」

男は目の前の光景が信じられないといった様子で、呆然と立ち尽くした。

江口匠海の瞳は深く、鋭く光っている。彼は一言も発さずただそこに立っているだけだが、その全身から放たれる圧倒的な威圧感は、何人たりとも容易に近づけない空気を醸し出していた。

あの傲慢だった男は、恐怖のあまりその場で失禁しそうなほど狼狽し、瞬時に媚びへつらうような笑顔を張り付けた。

「江口……江口社長ではありませんか! まさかここでお会いできるとは、光栄です!」

男は慌てて手を差し出し、江口匠海と握手をしようとしたが、江口匠海から氷のように冷徹な視線を向けられ、気まずそうに手を引っ込めた。

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