第18章 悪辣な計画

田中由衣はその提案を聞くと、目に興奮の色をきらめかせた。「そうよ! どうして思いつかなかったのかしら? 田中春奈が息子を失って、気が狂うか自殺でもしてくれたら、私も安心できるわ」

黒田若菜は微笑んだ。「由衣、あんたん家の資産をあいつに奪わせちゃ絶対ダメよ。あんたの継母、毎日あいつの実家に顔を出して、どれだけお金を渡してるかわかったもんじゃない。このまま待ってたら、手遅れになる。田中春奈にあんたのすごさを思い知らせて、さっさとペナンから追い出さなきゃ」

田中由衣は喜色満面で言った。「ええ、あいつに警告しないと。さもないと、私たちが甘く見られるわ」そう言うと、彼女は電話を切り、その悪辣な計画...

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