第14章 オークション

茜音視点

私は彼女を取り合わず、そのまま玄関へ向かった。

ここまで徹底的に無視されるとは思っていなかったのだろう。菅田夢香の顔がみるみる真っ赤になり、伸ばしかけた手が宙で不格好に止まる。

「茜音は、私生活を探られるのが苦手なの。私たちも必要以上に踏み込まないようにしてるわ」

菅田雪恵がすっと前に出て、笑みで場を整えた。そうして私の手を取り、母親らしい親密さで言う。

「ほら、行きましょ。ガレージの車、まだ見てないでしょう? お母さんが、好きなの選ばせてあげる」

――

菅田家のガレージは「車庫」というより、小さな高級車の展示館だった。

何十台ものトップクラスの車が、兵隊みたいに整...

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