第21章 少しお仕置き

茜音視点

ベントレーが夜の街へ滑り込む。車内は静まり返り、低く唸るエンジン音だけが腹の底に響いていた。前席では浅川浩がハンドルを握り、後部座席では藤堂律が溜まりに溜まった連絡をスマホで片づけている。相変わらず、近寄りがたい空気圧。

私は窓の外へ視線を投げた。ネオンがガラスに切り取られ、流れる光の帯になっていく。

「この先の交差点で停めて」

一言で、沈黙に切れ目を入れる。

浅川浩がバックミラー越しにちらりと確認した。未開発の別荘地。街灯は心許なく、周囲は墨を流したみたいに暗い。骨組みだけの建物がぽつぽつ立っている以外、人気はない。彼は迷ったように、反射的に後ろを窺う。

藤堂律も顔を...

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