第16章 オークション

水曜のオークションは夜8時開始。会場はサン・ロラン市中心部にあるプライベートクラブだった。

午後4時、リオンの車が仕立て屋の前に停まる。

店の中では、お爺さんがすでに待っていた。二人の姿を見つけるなり、パンパンと手を叩く。すると奥から助手が二人、キャスター付きのハンガーラックを押して出てきた。

「試してきな」

お爺さんはドレスを外し、エラに手渡して奥の試着室を指さす。

エラは受け取り、そのまま中へ入ってカーテンを引いた。

外からお爺さんの声が飛ぶ。

「お前のは西のほうだ。そこに突っ立ってんな、目障りだ」

リオンは何も言わない。足音だけが西へ遠ざかった。

試着室の中で、エラは...

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