第39章 彼女を怖がらせるな

リオンが玄関まで行き、ドアスコープで外をちらりと覗いた。

その瞬間、エラは彼の全身がぴんと強張るのを見てしまう。

――え?

リオンがこんなふうに緊張するのは、滅多にない。むしろ珍しいくらいだ。

「誰?」思わず訊いた。

リオンは振り返り、どこか言いにくそうな顔で言う。

「借金取り」

エラが言葉を失う間もなく、リオンは鍵を回した。

次の瞬間、ドアの向こうから火のついたように明るい女の声が飛び込んでくる。

「リオン! 本当に家にいたのね! よかったよかった!」

声が終わるより早く、上品な装いの婦人が両腕を広げ、勢いよくリオンに抱きついた。

その背後には男が一人。背が高く、眉目...

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