第44章 君は私が欲しいものを知っている

エラが通話を繋ぐと、開口する間もなく、向こうから朗らかな笑い声が飛び込んできた。

「エラ嬢! 早い、早いよ! しかも、わざわざルビーをサンプルにしてくれたって?」

声の主――ブレントは心底うれしそうだった。前に会ったときの、あの厳めしい雰囲気とは別人みたいだ。

エラは小さく笑い、横で作業台にもたれて水を飲んでいるリオンへ視線をやる。正直に答えた。

「原石はリオンが用意してくれました。仕上がったサンプルは、彼の個展に出せるから無駄にならないって。ただ……もし展示するなら、奥様のダイヤの指輪が「世界にひとつ」じゃなくなるかもしれません。それでも、気になさらないですか」

するとブレントは...

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