第28章

そう考えた瞬間、神宮寺悠真はふいに背筋をぴんと伸ばした。

軽く咳払いしてから、朝比奈澪に声を落として問う。

「なあ。俺が誰だか、分かる?」

朝比奈澪はきょとんとしたまま、首を横に振った。

「分かんない」

神宮寺悠真「???」

悠真は目を見開き、衝撃を受けた顔で固まった。

――俺を知らない?

芸能界で何千万のファンを抱えるトップ歌手だぞ。そんな俺を、知らない人間がいるのか。

それに、私生児が神宮寺家に来るってことは、財産目当てに決まってる。

ドラマだってそうだ。浮気相手が必死で子どもを産むのは、遺産争いの「駒」を増やすため。

悠真は胸が痛んだ。外の浮気相手、仕事が雑すぎる...

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