第29章

神宮寺玲央は、やれやれといった顔で承諾した。

書斎へ戻るとパソコンを立ち上げ、画面の向こうの社員たちへ低い声で告げる。

「会議は三十分に短縮する。要点だけ話せ」

一同、思わず顔を見合わせた。驚愕がそのまま表情に貼りついている。

時間厳守の社長が、こんなことを言い出すなんて――長年勤めてきて一度もなかった。

今日は、いったい何が……。

神宮寺玲央は冷えた横顔のまま、鷹のような目を細めた。

「目、いらないのか」

低く沈んだ声に、氷の刃みたいな殺気が混じる。

画面越しでも伝わる冷気に、部下たちは慌てて視線を落とし、各自の報告を始めた。

三十分後。書斎に、怒気を孕んだ声が響く。

...

ログインして続きを読む