第40章

今日は白川玲奈が社長室に呼ばれ、戻ってきたときには泣いていた。

涙をいっぱいに溜めた目は真っ赤で、いかにも可哀想な顔。思わず胸が痛むほどだ。

だから皆、反射的に「よほど酷いことを言われたんだ」と思い込んだ。

事情を聞いても、白川玲奈は歯切れが悪いまま、こんなふうに言うだけだった。

「奥様は、わざとじゃないんです……悪いのは私で……全部、私のせいです。奥様が喜んでくださるなら、私が会社を辞めても構いません……」

今になって思えば、完全に利用されていた。

社長夫人は何ひとつ言っていないのに、白川玲奈が勝手に泣いて、勝手に芝居を打ったのだ。

社長に叱られた腹いせに、社長夫人の評判を落...

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