第44章

朝比奈澪は笑って首を横に振り、気にしていないと示した。

ほどなく二人は研究室の前に着く。

神宮寺蓮司の背中について中へ入った瞬間、朝比奈澪は三方向から向けられる、温度の違う視線を浴びた。

一瞬だけきょとんとし、それからにこりと笑って挨拶する。

「はじめまして。朝比奈澪です。しばらく研究室をお借りすることになりそうなので、どうぞよろしくお願いします」

甘い笑み。柔らかな声。精巧すぎる顔立ちは、作りものめいて現実感がない。

三人とも、思わず固まった。

――そして誰かが、ぽろりと汚い言葉を漏らした。

直後、後頭部にゴツンと容赦ない一撃が落ちる。

「いってぇ……」

殴られた本人は...

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