第20章

「きゃあああっ!」

凄まじい悲鳴が、小さな中庭いっぱいに響き渡った。

スープは煮えたぎっているほどではない。だが決してぬるくもない。ぶちまけられたそれは熱さと痛みを伴い、しかも溶き卵まで混ざっていて、髪を伝ってぽたぽたと滴り落ちる。みっともないことこの上ない。

凛奈は見下ろし、口元に薄い嘲りを乗せた。

「黒宮司奈。自分で転ぶの、これで何回目? バランス感覚、悪すぎない?」

床にへたり込んだ黒宮司奈を、まるで滑稽なものでも見るように眺める。

これだけ? せこい小細工は。

転ぶのまで、二度も同じことを繰り返すなんて。

前の人生、どうして私はこんな間抜けに嵌められて、あんな目に……...

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