第121章 そんなに怖いか?

「本当にお前の心に、俺はいないのか?」

黒崎蓮の問いは決して重い口調ではなかったが、天宮星羅の呼吸を一瞬止めるには十分だった。

怒りと屈辱が胸の中でせめぎ合う。

星羅が布団で彼を簀巻きにして、ベッドから蹴り落としてやろうとした、その時――。

激しいノックの音が船内に響き渡り、張り詰めた空気を打ち砕いた。

星羅は全身を震わせ、体に籠もっていた熱が一瞬で引いていくのを感じた。

彼女は人生最速の動きで両手を黒崎蓮の胸に当てると、反動を利用して猛然と突き飛ばした。

彼女は無様に彼の上から転がり落ち、ベッドの隅へと縮こまって、布団を頭から被り防御体勢をとる。

突き飛ばされた黒崎蓮は不満...

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