第134章 お前の命を賭ける

江利山敦の笑い声が喉の奥で引きつり、やがてより深い怨毒へと変わる。

彼はステッキで床を強く叩くと、スラックスの中で虚ろに揺れる右足を指し示した。

「あの時、俺はお前に負け、その代償としてこの足を失った」

「今日は公平にいこうじゃないか。賭けるのは金じゃない、これだ」

江利山敦は手を上げ、葉巻を挟んだ指先で、黒崎蓮の真っ直ぐに伸びた膝を遥か彼方から狙うように指した。

「俺が負けたら、この命をやる。だがお前が負けたら、その足を貰うぞ」

彼は一拍置き、陰湿に付け加える。

「もちろん、お前が生きていればの話だがな」

天宮星羅の爪が掌に深く食い込む。激痛のおかげで、かろうじて意識を保っ...

ログインして続きを読む