第138章 うちのボスがお呼びだ

江利山敦の体が激しく震えた。

背後から心臓を狙う切っ先。その冷たく鋭利な感触に、全身の力が瞬時にして奪われる。

少しでも不審な動きを見せれば、この刃が心臓を貫くことは明白だった。

「お、降りる……降りるから……」

震えが止まらない。負傷した片足では体重を支えきれず、彼は半ば転げ落ちるようにして、暗黒の穴へと身を投じた。

黒崎蓮は片手で江利山敦の首根っこを締め上げ、もう片方の手で天宮星羅の手首を固く握りしめると、彼女を伴って闇の中へと身を躍らせた。

鼻をつく強烈なカビの臭気と、下水道特有の腐臭が瞬く間に二人を包み込む。

天宮星羅は胃袋が裏返るような吐き気に襲われ、目眩さえ覚えたが...

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