第177章 抱きついて誘っているのか?

彼の体は、まるで火の塊だった。

その事実に気づいた瞬間、天宮星羅の脳裏から対峙していた時の緊張も、張り詰めていた警戒心もすべて吹き飛んだ。

「黒崎蓮、起きて! しっかりして!」

天宮星羅は彼の頬を力任せに叩いた。しかし、掌に伝わってきたのは火傷しそうなほどの高熱だ。彼女は反射的に手を引っ込めた。

男は苦悶に眉を寄せ、乾ききった唇をわななかせるだけで、覚醒する気配は微塵もない。

くそっ!

天宮星羅はベッドから飛び降りると、靴も履かずに裸足のまま廊下へと駆け出した。

神宮寺を見つけるのはすぐだった。

厨房の床で仮眠をとっていた彼は、凄まじい足音に驚いて跳ね起き、入り口に立つ血相を...

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